4月19日(金)、本年度も第1学年を対象とした「自然観察学習」を実施しました。平成8年から続くこの自然観察学習は、浜頓別高校が行う理科・地域観察学習3本柱(2学年:定点観察学習、3学年:地層観察学習)の1つであり、導入的な位置づけとなっています。本校に入学した生徒に対して、「身近な自然環境に直接触れ、自然科学に関心を高める」「地域における環境と生物の調和・問題点を知り、自ら考えるきっかけとする」等を目的として、毎年、白鳥の飛来が多いこの時期に実施しています。
当日は、出席した1年生27名と理科教員2名が町内の「浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館」を訪問し、講師の千田 幹太 先生(浜頓別町職員)からクッチャロ湖の概要、コハクチョウの生態、ハッピーリング(白鳥の求愛ポーズ)、ラムサール条約など、水鳥にかかわるさまざまなことを説明していただきました。クッチャロ湖や水鳥観察館についてなじみのある生徒も、講義に対して、真剣な態度で臨んでいました。
また、講義では、ベニヤ原生花園、ウソタンナイ砂金採掘公園、水鳥観察館による環境教育活動など、浜頓別町の自然を生かした施設や取り組みについての紹介をしていただきました。浜頓別町が自然環境に恵まれているだけではなく、大切な自然環境を保全するために、さまざまな努力を重ねていることを、生徒はしっかりと理解したと思います。
水鳥観察館での講義のあとは、クッチャロ湖畔に移動して、白鳥やカモなどへの餌やりを行いました。生徒は白鳥にパンを与え、それを食べる様子を楽しんで見たり、天敵の強襲で一斉に水鳥が飛び立つ光景に驚いたりと、ふだんの座学では得ることのできない貴重な体験ができました。これらの体験は、今後の理科の学習でも生きてくるはずです。
本年度の観察学習は、新型コロナウイルス感染防止のため、いわゆる「三密(密集・密室・密接)」を避けるべく、生徒どうしの間隔をあける、室内での講義を短時間にするなど、さまざまな対応策をとったうえで実施しました。ことしの1年生は、町内の移動や講義、給餌体験にいたるまで、しっかりと指示に従い、適切に行動を行うことができました。観察学習がほぼ例年通りに実施できたのは、個々の努力のおかげです。よく頑張ってくれたと思います。
ことしの1年生は入学式をはじめ数々の行事が、新型コロナウイルスの影響で、簡略化・中止の憂き目にあってきました。また、この観察学習が終了して直後に臨時休校が決まり、しばらくのあいだ、高校への登校ができなくなりました。そのような中で、奇跡的にほぼ例年通りに実施できた観察学習を、いい形で学習に生かしてほしいと思います。また、当日欠席した生徒についても、資料の提供等を通じてサポートしてまいります。
厳しい状況のなか、ご協力をいただいたクッチャロ湖水鳥観察館のみなさま、浜頓別町役場に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
※ 資料はこちらからダウンロードできます。